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芥川龍之介歌集:砂上遅日

2021-06-12  作者:川外培训中心   浏览:  所属栏目:川外动态
砂上遅日 うつゝなきまひるのうみは砂のむた雲母きらゝのごとくまばゆくもあるか 八百日ゆく遠の渚は銀泥ぎんでいの水ぬるませて日にかゞやくも きらゝかにこゝだ身動みぢろぐ

砂上遅日


うつゝなきまひるのうみは砂のむた雲母きらゝのごとくまばゆくもあるか

八百日ゆく遠の渚は銀泥ぎんでいの水ぬるませて日にかゞやくも

きらゝかにこゝだ身動みぢろぐいさゝ波砂に消けなむとするいさゝ波

いさゝ波生あれも出でねと高天たかあめゆ光はちゞにふれり光は

光輪くわうりんは空にきはなしその空の下につどへる蜑あま少女はも

むらがれる海女あまらことごと恥なしと空はもだしてかゞやけるかも

うつそみの女人眠るとまかゞよふ巨海こかいは息をひそむらむかも

荘厳しやうごんの光の下にまどろめる女人の乳こそくろみたりしか

いさゝ波かゞよふきはみはろばろと弘法麦の葉は照りゆらぎ

きらゝ雲むかぶすきはみはろばろと弘法麦の葉は照りゆらぎ

雲の影おつるすなはちふかぶかと弘法麦は青みふすかも

雲の影さかるすなはちはろばろと弘法麦の葉は照りゆらぎ